以前このブログで「テラスハウス中目黒→Butte」として取り上げた、アーキネットのコーポラティブハウス「Butte」の中古住戸が売りに出ていました。
Butteは、目黒区中目黒5丁目に建つコーポラティブハウスです。設計は山本圭介+堀啓二/山本・堀アーキテクツ、施工は渡邊建設。竣工は2011年12月です。
2011年に取り上げた「テラスハウス中目黒→Butte」
当時の記事では、新築分譲時のH住戸について以下のように紹介していました。専有面積91.60平米、バルコニー面積37.43平米、主要階は2〜3階のメゾネット。販売価格は7,970万円でした。スケルトン状態での価格が7,195万円だったため、インフィル代は800万円弱という計算になります。
あれから約14年。
御多分にもれず、Butteも価格がしっかり上がっています。
今回売りに出ている住戸は1億480万円
今回売りに出ている住戸は、専有面積76.49平米、間取りは2LDK。1階・地下1階のメゾネットタイプで、販売価格は1億480万円です。
単純計算すると、平米単価は約137万円。坪単価では約453万円ほどになります。
もちろん、以前取り上げたH住戸とは階数も面積も条件も異なります。以前ブログで取り上げた住戸は2〜3階メゾネットで、眺望良好なルーフバルコニー付きでした。一方、今回の住戸は1階・地下1階のメゾネットタイプです。そのため、単純に「同じ住戸がいくら上がった」と比較することはできません。
ただ、それでも2011年当時に91.60平米で7,970万円だった物件が、2026年時点では76.49平米で1億480万円になっているという事実は、なかなか象徴的です。
コーポラティブハウスであっても、中目黒・祐天寺エリアの不動産価格高騰からは逃れられなかった、ということでしょう。
中目黒5丁目、祐天寺も利用可能な立地
今回の住戸は、東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒」駅徒歩16分、東急東横線「祐天寺」駅徒歩15分。駅近というほどではありませんが、中目黒5丁目の落ち着いた住宅街という立地です。桜並木で有名な目黒川にも比較的近いです。地下1階LDKでも閉塞感を抑えたメゾネット
間取りを見ると、地下1階に約15畳のLDK、1階に約6.3畳の洋室が2室あります。地下1階とはいえドライエリアが設けられており、リビングには採光が入る構成です。チラシにも「ドライエリアを利用し、1階は吹き抜けとなっているため東・南に採光がとれます」と記載されています。写真を見る限り、LDKはかなり開放的です。スケルトン階段、横長のキッチン、床材、照明の雰囲気など、いわゆる一般的な分譲マンションとは違う、コーポラティブハウスらしい空間になっています。
特に印象的なのは、地下1階のLDKが「地下っぽく見えすぎない」点です。ドライエリアと吹き抜けによって光を取り入れており、閉塞感を減らそうとする設計意図が感じられます。
浴室はガラス扉で、浴槽は埋め込み式。リビングには床暖房あり。ペット飼育も規約の範囲内で可能とのことです。
管理費は月額5,900円、修繕積立金は月額14,565円。築年数を考えると、ランニングコストはかなり抑えられている印象です。管理費が異常に安いのは、自主管理だから?
築年数を経て、個性が資産性になるコーポラティブハウス
個人的には、Butteのようなコーポラティブハウスは、築年数が経ってからの方が面白さが出てくる物件だと思っています。新築時は「少し変わったマンション」「好き嫌いが分かれる住戸」として見られがちですが、10年以上経つと、その個性がむしろ資産性として評価されることがあります。
普通のマンションは、時間が経つほど他の物件との差別化が難しくなります。一方で、建築家が関わったコーポラティブハウスは、空間の作り方そのものに特徴があります。そこに価値を感じる人にとっては、築年数よりも「この空間で暮らせるかどうか」が重要になるわけです。
今回のButteも、まさにそのタイプの物件だと思います。
2011年から2026年へ、「ここまで来たか」という価格
ただし、価格は1億480万円。いやあ、高くなりました。
2011年当時にこの物件を見ていた身からすると、率直に「ここまで来たか」という感じです。中目黒、祐天寺、コーポラティブハウス、建築家設計、メゾネット、開放感のあるLDK。そうした要素が積み重なると、築14年でも普通に1億円を超えてくる時代になったということです。
コーポラティブハウスは、一般的な大規模マンションのように流通量が多くありません。その分、価格の妥当性を判断するのは難しいところがあります。
とはいえ、Butteのように立地と設計の個性がはっきりしている物件は、今後も一定の需要がありそうです。
2011年に「テラスハウス中目黒」として眺めていた物件が、2026年には1億円超えの中古物件として出てくる。
コーポラティブハウスの価格推移を考えるうえでも、なかなか興味深い事例です。
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